英語で仕事を行うのにTOEIC高得点は必要?

皆さんの会社ではTOEIC受験し高得点を取ることが求められていませんでしょうか?

私の勤めている会社では、新人研修のときはもちろん、その後も昇進試験など、折に触れてTOEICのスコアを問われてきました。

でも、何のためにTOEICを受験するのでしょうか?会社がTOEICを推進する目的は「英語で仕事を行えるグローバル人材を育成するため」でしょう。

ですが、私としては、TOIEC高得点をとっても英語で仕事をこなせるようにはならないと考えます。なぜなら、TOIECで求められているスキルと、仕事で求められるスキルが異なるからです。

具体的に見ていきましょう。

ライティング・スピーキング

まず、TOEICはリーディング・リスニングの試験であり、アウトプットを求められることはありません。一方で、仕事は相手とコミュニケーションをとりながら進める必要があるので、ライティング・スピーキングのスキルが必須となります。

通常のTOEICはライティング・スピーキングの力を図る試験ではないので、TOEIC高得点を取れる人でも、アウトプットが出来るとは限りません。

聞き取れない場合の聞き直し

TOEICのリスニング試験では、内容が聞き取れなくとも、再度問題文を聴くことは出来ません。一方で、仕事は聞き取れない場合、何度も聞き直すことが出来ます。もちろん限度があると思いますが、試験とは異なり、相手に自由に質問することが出来ます。場合によっては、メールなどで、文字で説明してもらうという手段をとることもできます。

内容理解の誤り

TOEICはマークシート試験ですので、内容を正しく理内していなくても正解する場合もあります。また、理解不足があったとしても、該当箇所の問題について、失点するだけです。一方で、仕事では、肝心な部分(例えば、価格や納期など)での理解不足は許されません。誤った理解はビジネス上の不利益につながってしまいます。あいまいに理解したまま放置、ということは許されず、100%正確に理解する必要があります。

制限・制約(時間、辞書・インターネット)

TOEICは試験なので、時間制限があります。決められた試験時間の中で回答する必要があります。また、試験中に辞書やインターネットなどを参照したり、人にアドバイスを求めたりすることもできません。一方で仕事では時間的制約は緩やかです。もちろん、ビジネス上の制約(対応期日・納期など)はありますが、交渉により伸ばすことができるかもしれませんし、場合によっては寝る時間を削って対応するということも可能です。また、必要に応じて辞書やインターネットを使ってもよいですし、誰かに頼んで対応してもらうという選択肢もあります。

まとめ

TOEICと仕事の違いをまとめると以下となります。

  TOEIC仕事
ライティング・スピーキング問われない必須
聞き取れない場合の聞き直し出来ない出来る
内容理解理解できなくても致命傷にならないビジネス上のポイントとなる部分は必ず理解する必要あり
時間制限ありなし
辞書・インターネット・アドバイス使用不可使用可

両者に求められているスキルは大きく異なるため、英語で仕事が出来るようになるために、TOEIC高得点を目指すのは効率的なアプローチではないと思います。英語で仕事が出来るようになるためには、まず求められているスキルを理解し、その上で、仕事を通して、それらのスキルを身に付けていく必要があると考えます。

TOIEC試験で測定されるリーディング、リスニングのスキルは仕事でも必要となりますが、仕事を行うためには、それが全てではない(他に必要なスキルがある)ということを理解しておくことが重要だと思います。

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