インド人と仕事をして感じたこと(異文化の中で仕事をするということ)

私の仕事はソフトウェア関連のため、ソフトウェア開発に力を入れているインドと仕事をする機会が多いです。プロジェクトの佳境では、開発拠点であるインドのバンガロールに数ヵ月間長期出張していたこともあります。

そのような経験を通して、インド人と仕事をするたびに感じている疑問が1つあります。それは、「なぜ整理をしないのだろう?」ということです。計画、設計書、ソースコードなど、いずれにおいても混沌とした状態になっていることが多いです。一見しただけだと理解できないため、整理しようと提案しても、受け入れてもらえないことのほうが多いです。

この疑問に対する私なりの仮説は、「整理すること」=「良いこと」という日本人にとっての常識が、インドでは成り立たないのでは?です。

テレビでよく見る、人が溢れんばかりのインドの満員電車に象徴されるように、カオスの中で普通に生活しているインド人にとっては「整理すること」の必要性自体が理解できないのかもしれません。

彼らが開発するプログラムは継ぎはぎに継ぎはぎを重ね、往々にして巨大なスパゲッティコードになっていしまっているのですが、それをものともせず開発を進めていきます。インド人が持つ、カオスの中で物事を推進していく能力は、普通の日本人が到底真似できないように思います。

もしかすると、彼らにとっては、整理なんかしなくても開発していけるのに、なんでいつも整理しろ言うの?と不思議に思っているのかもしれません。

私の仮説が正しいのかは分からないのですが、自分の常識が相手の常識とは限らない、ということを考えるきっかけになった出来事でした。異文化の中で仕事をする場合において、相手の行動が理解できない場合、一度、前提となっている常識を疑ってみると新たな視点が開けるかもしれません。

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